どこまでも 「大丈夫大丈夫。オレ王子にぞっこんですから」 「またカイルはそういうこと言って」 「えー、なんでですか。麗しい忠誠心ですよ」 「自分で言う?」 「言います」 「まあ、僕もカイルは頼りにしてるけどね」 「まあってなんですかまあって。傷つくなー」 「繊細だね」 「うわ、切って捨てた。ひどっ王子ひどっ!」 「基本的にカイルの台詞は言葉遊びじゃないか」 「じゃ、本当ならいいんですか?」 「え?」 「え?」 「聞き返さないでよ」 「だって王子、今の顔面白かった…!」 「……楽しそうで何よりだよ」 「はい、楽しいですよー。王子と一緒ならなんでも。あ、お説教とかは嬉しくないですけど」 「うん、もういいけどね」 「基本的に王子に対しては本気しかないですから」 「え」 「本気ですよ、色々と」 「ああ、そうなん、だ」 「そういうわけで、これからも宜しく――お願いします」 ▼台詞のみの小説を書く |
すべてが本音 だからこの男ときたら毎回毎回意味のわからない駄々をこねて何が楽しいのか。 まったく理解ができないししたくもない。同じ兄って属性なら少しは大人になろうぜ。 れいてつひどうの海馬様、わざとらしく棒読みで口にしてやったら物凄く睨まれた。事実だろ。 こんな青い血が流れてそうな人間かも疑わしい相手と俺もよく同じ空気が吸えたもんだ。 のろまだの愚かだの飽きもせずぶつけてくる海馬は何故だか知らないがとても機嫌が悪い。 やっぱり貧乏くじを引く羽目になる性分に涙が零れそうだ。 ろくに話も聞かないのはお前だ、俺は聞いてるけど頷くつもりがないだけ。 うるさいと叫ぶお前の方がよっぽどやかましいぜ、自分を省みるってのをしてみやがれ。 きまぐれを繰り返すほどお互いに暇じゃない。 らちのあかない問答はもうたくさんだ。 いちいちいちいち面倒くさいと思ったってやめないのはどうしてか考えろ。 なあなあで済ませたくないのは俺だけなのか。 わざわざ時間を作ったのは不毛な言い合いをする為じゃないはずだった。 けっ、どうせ鼻で笑って終了するんだろうよ、そういう奴さ。 がなりたてて自分の欲求だけを突きつける非常識極まりない男。 なんだってこんなに疲れなきゃいけない、付き合わなきゃいけないんだ。 いい加減こいつは俺のことをわかるべきだと思う。 ▼一部、段落の始めを拾っていくと何かの言葉になるように書く |