特別であること 唇を離し、静かに息を吐く。手を置いていた脚を撫でるように滑らせた。 つい、と視線を落とし脛の辺りに掌を当てる。 好きにさせていた相手が思い出したように自分へ呟く。問いよりも感想に近い。 「お前、足は噛まないよな」 「だ、って……足は」 「あしは?」 一度顔を上げるも口篭り、薄く笑みを浮かべるのを見ないようにしながら体の位置を下げる。 再度膝から撫でさすり、ふくらはぎへ横から口付けた。 「いうかよ」 小さく音にして、脛、くるぶしと唇を寄せる。 ふ、と笑いの零れる気配。 「ま、舐めてくれてもいいけど?」 鼻を鳴らし視線を飛ばすと伸びてきた指が顎を擽った。 むずがるように頭と肩を揺らす。中指で持ち上げ視線を合わせ、愉しそうに微笑む顔。 「それか、お前の大好きな足でしてやろうか」 「さいっあく」 本気で眉を顰めて見せるとなにが可笑しいのか更に笑った。 「ふふ、冗談」 「悪趣味」 「そりゃーお前を好きってくらいだから」 「うっぜ」 顎の指を跳ね除けて、気にもしない様子の相手の太腿を押さえにかかる。 「…そんなに足がお望みなら、つけてあげますけど、きわどいとこに」 「は」 「舐めてもほしいんですよね、遠慮せずに」 「ちょ、おま」 「動くな」 一瞬固まった隙に伸び上がり股の間へ、焦りを僅か含んだ南沢が止める前に一喝。 下着の上から手を当てて、左手で右足をなぞり上げる。勢いに腕を動かせなかったのをふふんと見つめる。 「いいですよ、すっげー心込めて、愛してやりますから」 握る箇所に力を加えながら、大腿へ舌先を這わせた。 |